フラ女将 オリジナルソング 〜夢花涙雨〜 で紅白歌合戦出場を

東京新聞が、福島県いわき市 フラのまち
いわき湯本温泉「フラ女将」を 記事にしてくれました。
東京新聞が、フラのまち いわき湯本温泉
「フラ女将」を 記事にしてくれました。
今年、いわき湯本温泉 フラ女将は
オリジナルソング 〜夢花涙雨〜 で
紅白出場を夢見ています。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/202003/CK2020032202000104.html

https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/202003/CK2020032202000104.html

東京新聞 TOKYO Web

<フラ女将の街で・福島いわき湯本の9年> (上)震災、新型コロナ…逆風に負けない

フォークソング風の曲が流れ出すと、鏡の前に立つ女性四人が両腕を横に伸ばして波のように揺らし、花柄のスカートがはためく。

 東京から特急で二時間超、JR常磐線湯本駅(福島県いわき市)前のビルの一室で、フラダンス教室が月二回、昼時に開かれている。

 女性たちは皆、湯本温泉街にある旅館の女将(おかみ)。五年前から「フラ女将」を名乗るようになった。その一人、旅館「こいと」の小井戸(こいと)文恵さん(54)が振りを間違え、照れ笑いした。

 湯本の街は新型コロナウイルスの感染拡大による自粛ムードで、二月から閑散とする。強い逆風は、九年前にも吹いた。東京電力福島第一原発の事故で、予約が軒並みなくなった。

 こいとには当時、大量のオムツと粉ミルクが残った。赤ちゃん連れの客の心をつかんだ使い放題プランの買い置き。案内する部屋を間違えるドジに悩みながら、女将自らプランを発案し、軌道に乗せた努力の結晶だった。事故直後、それを、夫の英典さん(64)が隣町の住民であふれた市内の避難所へ運ぼうとした。

 「だめ、あげない」。とっさに立ちはだかるも、すぐに引き下がった。客足の回復は見込めない。「赤ちゃん、もうこないんだと思って。立ち直れなかった」 (福岡範行)

オリジナル曲「夢花涙雨〜フラ女将の唄」のフラダンスを披露する女将たち=昨年12月、福島県いわき市常磐湯本町で(旅館「こいと」提供)

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 東京電力福島第一原発の事故後、千年超の歴史を誇る湯本温泉街(福島県いわき市)から観光客が消えた。

 代わりに、事故収束に当たる作業員が集まった。原発近くが放射能で汚染され、五十キロ離れた温泉街が前線基地となったからだ。

 「動いていた方が気持ちが紛れました」。旅館「こいと」の女将(おかみ)、小井戸(こいと)文恵さん(54)が振り返る。

 六階建ての館内にある二十八の客室は、東電の関連会社の男性社員で埋まった。朝晩、作業着姿の男性たちを乗せた大型バスが原発との間を行き来した。

湯本温泉街から福島第一原発に向かうバスに乗り込む作業員たち=2011年5月

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 「皆さん避難者でもあった。家が流されたり、避難区域にあるから帰れなかったり」。疲労がにじむ作業員の境遇に胸を痛めた。

 一年ほど過ぎた春、山に咲く桜を見て「あっ、色がある」と気付いた。「花を見て、幸せだなと感じる気持ち、忘れてたって」。女将仲間に打ち明けると、「私もだよ」と返ってきた。

 二〇一二年秋になると、作業員の姿はめっきり減った。前線基地が原発により近い広野町などに移った。だが、観光客は簡単には戻らない。「原発に近いイメージがあり、出遅れた」

 四十人いた従業員は半減。板前を雇わず、夕食をやめ、好評だった離乳食も出せなくなった。売り上げは事故前の五、六割。「子どもや女性が気軽に来られるように」−。旅館の三代目を継いだ夫との夢は遠のいた。

 温泉街の客数は、原発事故前の半分超で横ばいが続く。二十八軒あった旅館は毎年一軒のペースで廃業し、出張で来た会社員向けの素泊まりや軽い朝食だけを出す旅館が増えた。

 近くのレジャー施設「スパリゾートハワイアンズ」は、首都圏と結ぶ直行無料バスを一三年から拡充し、客足を回復させた。ただ、今も温泉街に人が流れるまでには至っていない。

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 「湯本温泉がなくなっちゃう」。女将たちは皆、不安だった。それが、一五年に始まる「フラ女将」の原動力になった。

 五〜九月の月一度、温泉街の広場で、頭に花飾りを着け、着物姿で踊る。「いっそアイドルに」と温泉街の顔になり、付き合いの薄かった地元の飲食店などと協力して、街歩きできるパンフレットも作った。

 東京五輪に向けた数年越しの営業が実り、こいとには海外の団体客の予約も入るようになった。そこに起きた新型コロナウイルス問題。相次ぐキャンセルで他の団体客など数百人分もなくなり、ようやく見えかけた不安からの出口がふさがれた。

 小井戸さんは言う。「今も毎日、不安。だからこそ、笑顔でいないと。女将辞めますとは言えないもの」

 昨年末、福島出身の歌手に頼み、テーマ曲「夢花涙雨(ゆめはななみだあめ)〜フラ女将の唄」ができた。踊り口ずさむ歌詞に、女将たちの思いが詰まる。

 ♪悲しいから笑うのよ 手に手を取り合って 切なくても踊るのよ あしたいい日になれ

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<いわき湯本温泉> JR常磐線湯本駅の西側に位置する温泉街。温泉旅館協同組合によると、温泉を引いている旅館・ホテルは21軒。明治期に石炭採掘が盛んになり、一時は温泉が出なくなった。石炭産業が斜陽化し、1965年に駅の西3キロに「常磐ハワイアンセンター(現スパリゾートハワイアンズ)」が完成。映画「フラガール」の舞台にもなった。福島県全体の観光客数は原発事故前と同水準まで回復したが、津波被災もあった浜通り地域は、スパリゾートハワイアンズ以外は厳しい状況が続く。


      ◇

 原発事故の影響が色濃く残る福島県浜通りの温泉街。そこで生きる人々の九年を追った。
  (この連載は福岡範行が担当します)
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